22時から先生の話は1時間ほど続いた。大変話好きなようだ。
「中野君。茶道具を認証館の方へ。」
「はい。」
「これから認証館の方で話しよう。」
「認証館ですか?見学のつもりなんですが?」
「大丈夫、こっちさこへ。」
「はい。」
外は月明りで照らされた雪景色がきれいでした。
門の横に認定館がありまだ新しい。
茶室のような感じで落ち着く部屋だ。
まさかこの部屋で3時間講話を聴くとは思いもよらず
「平岡君、この絵は国画会 石ケ森恒蔵先生の人生の歩みを強調した青年の心と題した絵なんだ。」
と壁に飾ってある絵を指さした。
ランプに野菜を描いてある。
「先生、ランプと野菜の絵ではないですか。青年の心はどう感じ取るのでしょうか?」
と聞いたことまでは覚えているがその絵の意味するところを覚えていないのです。それぞれの野菜の意味、ジャガイモ、たまねぎ、ピーマン、にんにく。
先生が生きているうちにもう一度聞こうと思っています。
話は多方面にわたり3時間時刻は夜中の3時。
「平生君、入門書出して。」
「えっ。見学ですが」
「大丈夫、うちでは部外者は、まず入門書に記載してもらう。」
「そうですか、わかりました。」
「どのくらい滞在するのかね?」
「大学の休みを利用しましたので、1か月はいられます。」
「では体験していきなさい。外弟子として許可しよう。」
「よいのですか、外弟子として。」
「大丈夫だ、後は君次第、、、疲れただろう。ゆっくり休みなさい。認証館で、休むのは君が第一号だ。」
「有難うございます。」
兄弟子たちも認証館を去った。
ありゃりゃもう3時か。トイレがない。しょうがない。寒く雪降る中、外しょんで絵を描いた。眼下の国道4号線を行きかう長距離トラックがまぶしく目に写り去っていくトラック音が遠くまで来たもんだと思わせる。
床をとり爆睡。